まず簡単にがんについて説明します。人間は無数の細胞から構成されていて、各々が分裂して自己増殖を繰り返すことで傷 が治ったり新陳代謝が起こったりしますが、がんは異常な細胞の集まりで無秩序に正常な体内の組織を破壊していきます。細胞の集まりのことを腫瘍といいます が、良性と悪性があり良性腫瘍は大きくなることはあっても生命に影響を及ぼすようなことは滅多にありませんが、悪性腫瘍は細胞の正常な機能を妨げ、また血管やリンパを通って骨や他の臓器に移動します。これを転移と言います。 前立腺がんは他のがんに比べて進行がゆっくりしており、自覚症状も前立腺肥大症と非常に良くにているので発見が遅れることがあります。しかしながら早期の検査による発見が早ければ、他のがんよりも治しやすいがんと言えます。 |
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上記の表からも分かる通り、がん細胞の進行が遅い為、検査などで前立腺がんと診断されるまで時間がかかることから高齢者の罹患率が非常に高くなっています。 治療法としては大きく3つ挙げられます。 |
放射線治療 |
放射線治療と聞くと、体外から放射線を照射して(外照射)患部以外の臓器にも副作 用を及ぼすのではないかとご不安になられる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では小線源療法といって穴の開いた針を通して直接患部に照射する方法も 出てきており周辺臓器に影響が少なくてすみ、且つ効果も高いと言われ注目されています。 外照射も最新の治療では、前立腺局所のみへの照射がコンピューター管理下で可能となっており、合併症は極めて少ないものになっております。 |
内分泌治療 |
内分泌療法は男性ホルモンの活動を抑制する薬を飲み続け、進行を抑える療法です。 初期の段階では非常に効果的と言われていますが投薬をやめると前立腺の大きさが元に戻ってしまい、長期的に飲み続けないと効果が出ない点がデメリットです。 |
手術療法 |
手術療法は、転移や前立腺周囲へのがんのはみ出しのない早期前立腺がんに対してのみ行われます。 開腹手術も合併症が少なくなり、また内視鏡手術など新しい技術が開発され患者さんへの負担が幾らかは軽減できるとはいえ、やはり手術には体力が不可欠ですので、全ての人に手術療法が受けられるとは限らない点がデメリットといえるのではないでしょうか。 |