■ 前立腺肥大症 |
前立腺とは男性だけが持つ臓器で、尿道を囲むように存在しており主な働きは前立腺液を生成し、精液中の精子を保護する役割をもっています。 年齢と共に肥大するものですが、肥大し過ぎると硬化し尿道を圧迫して排尿障害を引き起こします。前立腺肥大自体は良性ですので生命にかかわる病気ではあり ませんが、放置すると尿閉といって尿が出なくなったり前立腺癌が隠れていたりしますので早期の検査による発見と治療が重要です。 症状としては3つのステージに分けることができます。 |
第1期(刺激期) |
・トイレが近いと感じる ・尿がなかなか出ない、時間がかかる ・夜中に何度もトイレに行く ・トイレに行ってもすぐに行きたくなる などが挙げられます。尿道を肥大した前立腺が圧迫し刺激することにより上記のような感覚を引き起こすことがよく認められます。 |
第2期(残尿発生期) |
・排尿しても、膀胱に尿が残っている感覚がある ・力を入れないとうまく排尿できない ・尿が出るまでにかなりの時間を要する などが挙げられます。前立腺の肥大が進行し、特に残尿感が目立つようになり結石の誘因にもなり、時として血尿の症状も見られます。 |
第3期(尿閉期) |
・尿意はあるのに尿が出ない ・膀胱付近に痛みを感じる ・無意識に失禁する などが挙げられます。このステージになるとかなり肥大が進行していると推測され、腎機能などにも影響が出てくると思われます。膀胱周辺の筋肉が伸びきってしまい、意識的に排尿などの調整が難しくなることが多く見られます。 |
◆ 日常での注意点 |
@ 尿意を我慢しない |
おしっこを我慢すると膀胱の神経が麻痺した状態となり尿閉を誘発しやすくなりますので、我慢せずトイレに行くことが大事です。水分の摂り過ぎやアルコールの過剰摂取も尿道が腫れ尿閉を起こし易くなる為気をつけましょう。 |
A 体を冷やす、長時間座る |
体を冷やしたり座る時間が長いと骨盤周辺の血液の循環が悪くなりスムーズな排尿の妨げとなることがありますので、下腹部を特に冷やさないように気をつけ、適度な運動を心がけましょう。 |
B 不規則な食事や便秘 |
ホルモンバランスにより肥大の進行具合が進み易くなることもありますので、出きるだけ規則正しい生活を送り、偏った食事ではなく野菜などのバランスを考えた食事を摂りましょう。 |
C 極端に辛い物や刺激物を避ける |
刺激物などは前立腺が刺激されて充血することで症状が進行することがあります。摂り過ぎには注意しましょう。 |
◆ 前立腺肥大症の治療 |
薬物での治療が基本ですが、改善が見られない場合は患者様の全身状態をみた上で、PVP手術(光選択的前立腺レーザー蒸散術)、尿道ステント留置を検討いたします(ともに日帰り手術で行っております)。 |